たばこの害

 

たばこがもたらす健康影響

喫煙を原因とする死亡者数

日本では、現在、喫煙によって年間12~13万人が死亡していると推定されています。

内訳を見ると、がん死亡7.7万人、循環器疾患死亡3.3万人、呼吸器系疾患死亡1.8万人で、合計12.9万人が死亡しており、この値は年間の全死亡者数の約1割に相当すると推定されています。

喫煙による推定死亡者数に匹敵する危険因子は高血圧のみで、喫煙と高血圧が日本人の死亡に大きく関与していることが示されています。

また、がん死亡に限ると、喫煙によるがん死亡者の数は他の危険因子を大きく引き離し第一位であり、がん死亡の中心的な危険因子であることがわかります。

  • (出典) 禁煙支援マニュアル(第二版)(厚生労働省)

喫煙者本人への健康影響について

たばこの影響により、がんをはじめとする様々な病気が引き起こされると考えられています。

たばこが原因となる病気


全国及び宮崎県の喫煙の状況

全国及び宮崎県の男女別喫煙率

2018_全国及び宮崎県の男女別喫煙率

全国の喫煙率(20歳以上)の年次推移

2018_全国の喫煙率(20歳以上)の年次推移-1

出典:厚生労働省「国民健康・栄養調査」

宮崎県の喫煙率の年次推移

2018_宮崎県の喫煙率の年次推移

県民健康・栄養調査


主流煙と副流煙に含まれる有害物質

たばこの煙は、喫煙により口から直接吸い込まれる「主流煙」と、火のついた部分から立ち上る「副流煙」に分けられます。

主流煙は、フィルターを通ることにより有害物質の一部が取り除かれますが、副流煙はフィルターを通らないため、多くの有害物質は、主流煙に比べて副流煙の方に約2倍から4倍以上多く含まれています。

例えば、副流煙には主流煙よりも、ニコチンは2.8倍、タールは3.4倍、一酸化炭素は4.7倍、アンモニアは46倍多く含まれています。

たばこの煙は空気で薄まりはしますが、喫煙者と一緒にいるだけで、周りにいる非喫煙者は少量のたばこを自分で吸ったのと同じような状態になってしまいます。このことを「受動喫煙」といいます。

  • (出典) 禁煙支援マニュアル(厚生労働省)
  • (出典) 職場のあんぜんサイト(厚生労働省)

受動喫煙による健康影響

受動喫煙により確実にリスクが上昇することが認められた代表的な疾患は、肺がんと虚血性心疾患です。

子どもへの受動喫煙の影響としては、肺炎や気管支炎などの呼吸器感染症、気管支喘息の発病と悪化、咳などの慢性呼吸器症状及び中耳炎があります。また、出生後の受動喫煙は、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクを高めます。

妊婦本人が喫煙した場合の胎児への影響としては、低体重出生をはじめ、早産、周産期死亡があります。また、妊娠中の喫煙は、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクを高めます。妊婦本人が喫煙しなくても、夫などによる妊婦への受動喫煙により低体重出生のリスクが高まります。

  • (出典) 禁煙支援マニュアル(厚生労働省)

受動喫煙を原因とする死亡者数

わが国では、受動喫煙により脳卒中、虚血性心疾患、肺がん、乳幼児突然死症候群の病気で年間1万5千人が死亡していると推計されています。

厚生労働省の検討会報告書によると、受動喫煙との関連が「確実」と判定された病気や症状として脳卒中、虚血性心疾患、肺がん、乳幼児突然死症候群(SIDS)、不快な臭気・鼻への刺激感、喘息の既往が報告されています。

そのほか、受動喫煙との関連が「可能性あり」と判定された病気には、乳がん、低出生体重・胎児発育遅延、喘息の発症や重症化、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などがあります。

  • (出典) 厚生労働省検討会報告書 喫煙の健康影響に関する検討会議:喫煙と健康、2016
  • (出典) 禁煙支援マニュアル(第二版)増補改訂版 厚生労働省

禁煙の効果・メリット


未成年者の喫煙について

青少年期に喫煙を開始すると、成人後に喫煙を開始した場合に比べて、がんや虚血性心疾患などの危険性がより高くなります。肺がんでは、20歳未満で喫煙を開始した場合の死亡率は、非喫煙者に比べて5.5倍となっています。

また、吸い始める年齢が若いほどニコチンへの依存度が高い人が多くなることが報告されています。

  • (出典) 喫煙と健康問題について簡単に理解したい方のために(Q&A)(厚生労働省)

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