たばこが原因となる病気

たばこが関わる病気

喫煙は、さまざまながんの原因の中で、予防可能な最大のものです。

喫煙は、さまざまながんの原因の中で、予防可能な最大の原因です

喫煙は、がんだけでなく、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)や脳卒中など循環器の病気、肺炎や慢性閉塞性肺疾患(COPD)など呼吸器の病気の原因でもあります。

  • (出典)がん情報サービス(国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策情報センター)

喫煙ががんを引き起こす仕組み

国際がん研究機関(IARC)が公表している発がん性の分類では、たばこ(能動喫煙及び受動喫煙)は、「ヒトへの発がん性を示す十分な証拠がある」とするグループ1に区分されています。

たばこの煙には、4.000種類以上の化学物質が存在し、その中の60種類以上の物質については、発がん性が指摘されています。

  • (出典) 禁煙支援マニュアル(第二版)(厚生労働省)

発がん物質の多くは、体内の酵素で活性化された後、DNAと結合して、DNA複製の際に遺伝子の変異を引き起こします。こうした遺伝子の変異が、がん遺伝子、がん抑制遺伝子、DNA修復遺伝子などに蓄積することによって、細胞ががん化すると考えられています。

  • (出典)がん情報サービス(国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策情報センター)

喫煙とがんの関連の大きさ

喫煙によってがんのリスク(がんになる、またはがんで死亡する危険性)がどれくらい上昇するかは、「相対リスク」という数値で表現されます。これは、たばこを吸わない人を1として、たばこを吸っている人のがんのリスクが何倍になるかを表します。

喫煙によるがん死亡の相対リスクは、男性で2.0倍、女性で1.6倍です。これは、たばこを吸う人ががんで死亡するリスクは、吸わない人に比べて男性で2倍、女性で1.6倍であることを意味します。

  • (出典)がん情報サービス(国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策情報センター)

喫煙と各発症リスク

1 慢性腎臓病との関係

喫煙は、慢性腎臓病(CKD)の発症と重症化の一因となっています。
 喫煙者は、非喫煙者に比べて約2倍慢性腎臓病になりやすいとの報告があります。

2 糖尿病との関係

喫煙本数が多いほど糖尿病を発症しやすく、非喫煙者に比べて、喫煙者全体で1.4倍、20本以上の喫煙者では1.6倍糖尿病にかかりやすいとの報告があります。

また、糖尿病の人が喫煙すると、腎臓の機能がさらに低下し、慢性腎臓病や透析に至るリスクが高まり、透析に至る期間が短くなるという報告もあります。

3 メタボリックシンドロームとの関係

喫煙は、糖代謝障害(血糖の上昇、インスリン感受性の低下など)や脂質代謝異常(HDLの低下、中性脂肪やLDLコレストロールの上昇)を引き起こします。

職域の健診受診者を追跡した研究によると、メタボリックシンドロームの発症リスクは、喫煙本数が多いほど高まることが報告されています。

4 循環器疾患との関係

喫煙は、循環器疾患のリスクを約2倍に高めます。喫煙とメタボリックシンドロームが重なると、循環器疾患のリスクがさらに高くなります。

5 乳幼児突然死症候群(SIDS)との関係

乳幼児突然死症候群(SIDS)は、乳幼児に何の前触れもなく、突然の死をもたらす病気です。

SIDSの主要な危険因子として、うつぶせ寝や人工栄養による哺育のほか、妊娠中から出産後の家族喫煙が知られています。

両親がともに吸わない場合に比べ、親の一人が吸うとSIDSのリスクは1.6倍、両親が吸うと4.7倍に高まります。

このほか、親がたばこを吸うと、子どもの呼吸器系の感染症をはじめ、たばこによるやけどや誤飲事故なども起こりやすくなります。

  • (出典) 1~4:禁煙支援マニュアル(第二版)(厚生労働省)
  • (出典) 5:禁煙支援マニュアル(厚生労働省)