- たばこの害
- たばこが原因となる病気
- 禁煙の効果・メリット
禁煙の効果
長年たばこを吸っていても、禁煙するのに遅すぎることはありません。また、禁煙は、病気の有無を問わず健康改善効果が期待できるので、病気を持った方が禁煙することも大切です。
禁煙による健康改善は、若年で禁煙するほど効果がありますが、何歳からであっても遅すぎることはありません。30歳までに禁煙すれば、元々喫煙しなかった人と同様の余命が期待できることや、50歳で禁煙しても6年長くなることがわかっています。
禁煙効果すごろく
このほか、禁煙すると顔色や胃の調子が良くなったり、目覚めがさわやかになるなど、日常生活の中で実感できる色々な効果があります。禁煙すると家族から喜ばれたり、何事にも自信がついたりすることも、禁煙に成功された方々の体験からわかっています。
- (出典) e‐ヘルスネット(厚生労働省)
禁煙のがんに対する効果
禁煙した人のリスク(がんになる又はがんで死亡する危険性)は、吸い続けた人と比べて下がることが示されています。
たばこを吸い続けた人より禁煙した人の方がリスクの低いがんとして、口腔がん、食道がん(扁平上皮がん)、胃がん、肺がん、喉頭がん、膀胱がん、子宮頸がん(扁平上皮がん)があります。
これらほとんどのがんで、禁煙してからの期間が長くなるほどリスクが低くなります。特に、子宮頸がん(扁平上皮がん)では、禁煙後、急速にリスクが下がり、その後、たばこを吸ったことがない人のレベルまで下がり続けます。
また、喉頭がんでも、禁煙後、急速にリスクが低くなり、10~15年でリスクが約60%下がります。
肺がんは、禁煙後5~9年でリスクが下がり始めます。肺がんは、禁煙後のリスクがたばこを吸ったことのない人のレベルまで下がることは難しいですが、禁煙する年齢が若いほど禁煙の効果は大きくなり、何歳で禁煙をしてもリスクは下がります。
- (出典) がん情報サービス(国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策情報センター)
禁煙による体重増加
禁煙すると、禁煙者の約8割に平均2㎏の体重増加がみられます。
しかし、禁煙2年目以降には体重がさらに増加する傾向はなく、血糖や中性脂肪などの検査値の悪化も一時的なものです。
体重増加の主な原因としては、ニコチン離脱症状としての中枢性の食欲亢進が続くことと、ニコチンによる基礎代謝の亢進作用がなくなることがあげられます。
運動にはニコチン離脱症状の抑制効果があり、禁煙継続にも役立ちます。
食生活の改善については、禁煙直後から取り組むと、離脱症状のコントロールがうまくいかない場合があるため、禁煙が安定するまで待ってから取り組むのがよいとされています。
喫煙後の体重増加を防ぐ~まず身体活動から始める
喫煙後の体重増加を抑制するためには、まず身体活動を増やすことから始めましょう。身体活動の強度は中等度がおすすめです。身近にできる中等度の身体活動の具体例としては、速歩、水中歩行、床磨き、風呂掃除、自転車に乗る、子どもと遊ぶ、庭の草とり、ゴルフ、野球などです。
禁煙後の体重増加を防ぐ~禁煙が安定したら食生活の改善に取り組む
禁煙開始から1ヵ月以上経過し、禁煙が安定してきたら、食生活の改善にも取り組みましょう。食べ過ぎないようにする、肉類や油料理などの高エネルギーの食事を減らす、間食を減らす、代わりに野菜や果物を増やす、飲酒量を減らす、などがおすすめです。禁煙直後から食事制限を厳しくすると、たばこを吸いたい気持ちが強く出る場合があるので、注意が必要です。
食生活の改善のための具体的なプラン例
- 1 食べ過ぎを改善する
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- 腹八分目にする
- おかわりをしない
- おかずの量を減らす
- 夕方に果物や軽食を取り、夜食はその分控える
- ゆっくりよく噛んで食べる
- 2 高エネルギーの食事を見直す
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- 脂身の多い肉や加工品を減らす
- 揚げ物を食べない日をつくる
- 脂っこい料理を食べない日をつくる
- マヨネーズやドレッシングは低カロリータイプのものにかえる
- 乳製品は1日300mlまでにする
- (出典) 禁煙支援マニュアル(第二版)(厚生労働省)